by turehana
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最後の三週間を、夫は自宅で過ごしました。
結果的に病院ではなく、自宅で看取れて本当によかった。 夫は、急変して亡くなる前日までは、自分でお茶をいれたり、 私と牡蠣めしを食べたり(実際は胃ろうで呑みこめないので、咀嚼して紙や袋に出す)、 花見をしたり、友人たちを招いて食事をしたり、病院ではできないことをたくさんしました。 それは、在宅対応の看護士さんにも、 「たくさんの患者さんを見てるけど、自宅をこれだけ満喫してる人は珍しい」と言われるほど。 高齢者の場合、自宅に戻るころには動けなくなっている場合がほとんどだからなんですね。 日本では、自宅で亡くなる人の割合は非常に少なく、 8割以上の人が病院で亡くなっているそうです。 実際に私たちも当初は、「最期は病院で迎えるのだろう」と漠然と思っていました。 でも、夫が転院した病院のホスピス(緩和ケア病棟)は、 「できる限り自宅へ帰れるようにする」という方針が強めの病院。 私は近所に住む実家や勤務先とも相談して覚悟を決め、 2月に転院したその日から、 「自宅で看護する場合にやるべきこと」の指導を徹底的に受けました。 点滴やガーゼの交換、胃ろうや胆汁チューブから出る体液の処置、 膨大な薬(飲み薬、座薬、貼り薬、医療用麻薬…)の種類と取り扱い方、 看護日誌のつけ方、座薬の入れ方、体の拭き方、緊急時の対処方法……。 毎日、仕事の合間をぬってホスピスへ行き、夫と会話し、自宅介護指導を受け、 「自宅でも病院と同じ処置ができる」という自信がついたころ自宅看護に踏み切りました。 もちろんそれだけでは不安だらけなのですが、 「日本の介護医療制度ってすごいなー」と素直に感動したことが本当にたくさん。 自宅看護の方針が決まったら、まずは介護保険を市役所に申請します。 これにより、自宅で使う電動介護ベッドなどが格安(月に1000円とか!)でレンタルできる。 次に地元にある介護センターを探し、ケアマネージャーさんという指揮官的な人を決めます。 その人が決まったら、近所から定期的に通ってくれる在宅対応の看護師さんと、 同じく在宅対応のお医者さん、在宅専門の薬局を決めて、スケジュールを組む。 他にもやるべき事務処理がたくさんあるのですが、なにぶんこちらは初めてのことばかり。 でも、本当にいろいろな人が「次にやるべきこと」を教えてくれるので、 言われるがままに進めれば、自宅看護をするための基盤は整うのです。すごーい。 とはいえ、実際に自宅看護を始めてからは、意外なほど一日一日があっという間でした。 「自宅では、のんびり二人で過ごすのかな…」などというイメージを抱いていたのに、 とんでもない誤解。 朝から晩までやることが膨大にあり、ほぼ毎日お客さんがくる。 点滴や薬など基本的な朝・昼・晩の医療処置から始まり、 ベッドにいる夫のリクエスト(飲み物やDVDの手配、枕や布団の位置直し、話し相手)、 毎日やってくる看護師さんお医者さん、薬局への対応、 人が来る以上は家の掃除もある程度はやらなくては…。 (まあ、途中から掃除はあきらめて、かなり雑然とした家になっておりましたが) 私は少しだけですが仕事も続けていたので、その合間を見つけて原稿を書くような生活。 いやー、たしかにコレは、よほど状況が許さないと難しいだろうなと思いました。 当初、自宅看護をするつもりだと勤務先に話した際、 介護経験のある上司からは「でれきば、やめたほうが良いのでは」とアドバイスを受けました。 看護する家族は、思っている以上に負担がかかって疲弊するし、 「ハナコさんが、ご主人のことを憎く思ってしまうようなこともあるかも」とも言われた。 実際に、私も疲れがたまってイライラしたり落ち込むことがあったし、 つまらないことで夫とケンカになったこともありました。 でもさー。 やっぱり自宅がいいよね。 病院みたいに色々うまくできないかもしれないけど、 残された時間が限られているなら、全部の時間に私と、あんきも(猫)がいたほうが良いよね。 それは、どう考えても間違いないことだから、迷いませんでした。 あとは、「最期を家族だけで看取る」という面が病院と大きく違っていた。 実際、夫が危篤になり、息をひきとるときに、お医者さんや看護師さんはいませんでした。 すでに訪問を受けて、できる限りの医療処置をしてもらっていたので、 亡くなったら連絡をする流れになっていたのです。 「息を引き取るときの体の変化やサイン」を事前に教わり、 彼の手首の脈をとりながら、そのときが静かに近づくのを待ちました。 本当にがんばった夫だったので、最後はもう無理に呼び戻すことはしませんでした。 私はスピリチュアル系には全くうといのですが、 部屋のどこかに「迎えにきてるんだろうなあ」という不思議な気配を感じたし、 「夫をよろしくおねがいします」と、ただただ祈りました。 亡くなる前日、お風呂場で夫の身体を洗い、背中に温かいお湯をかけていたら、 「あー、ハナちゃん。最高だね~。きもちいいなあ。ありがとうね」と、 本当に気持ちよさそうな声で夫が言いました。 お風呂が大好きだったのに、湯船には数か月も入れていないし、 数日に一度のシャワーも体調のいいときだけ。 背中へのシャワー、気持ちよかったんだろうなあ。 あんな声、自宅で看護できてなかったら聞けてなかったよね。 私は、たった3週間だったし、本当に環境に恵まれていたので、 長期間の看護や介護をしている方のご苦労には程遠く及びません。 だから、誰もが絶対に自宅看護をするべきだなんて言えない。 でも、私たちの場合は、本当にこうしてよかったと思います。 この文章を、懐かしく読み返せるときが早く来ますように。 今後は普段の飲み食い日記に戻ると思いますが、 忘れたくないので、忘れないうちに書きました。
by turehana
| 2013-04-14 20:08
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