by turehana
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吉井インターを降りてしばらく走り、本日の宿へ到着。 車を止めて、丘の上にあるかのような本館への石段を登ります。 途中には、小さな東屋もある。 入口の大きな壺に活けてあるのは、周囲の山に咲く梅の花ですな。 ガラス引き戸を開けると、スッキリ掃除された明るい廊下。 「ああ、おつかれさまでしたー。ハナコさま(もちろん名字)、お待ちしてましたよ」と、 笑顔の宿主さんが奥から出ていらした。 なんと真っ白な調理服姿! この方が、料理をつくってくださるんですねー。 まず通されるのが、16畳くらいの広い部屋。とりあえずお茶をいただきます。 応接間かと思ったら、1組はここに泊まるんだって。びっくり。 窓からは、ひたすら庭と竹林、向こうには連なる山が見える。 秋になると、庭も山も紅葉が真っ赤に色づいて、最高にキレイだそうです。 ちなみにもう一部屋は、隣にある8畳間。 宿自体は非常に小ぢんまりしたもので、このほかは調理場と風呂とトイレ、 食事をする大きめのお部屋があるくらい。 廊下奥には2月のイメージということなのか、節分をテーマにした床飾り。 敷き詰められた大豆がかわいらしい。 部屋へ挨拶にいらした宿主さんに軽く説明を受けた後、近所へ散歩。 ちょっとおなかを減らしたいわー!(←インターで買い食いしすぎた) まあ、周りは本当になーーーーーんにもないところなので、 娯楽とかは一切期待しないほうが良いです。超静か。笑 でもひたすらブラブラ、4人で話しながら歩くのもいいもんですね。 登山口には、こんな看板が。おっ、狩猟するのかー。わくわく。 部屋へ戻って、とりあえずお風呂。 客は1組だけなので、24時間好きな時に入れるそうです。 温泉ではないけど、木の浴槽と、山に向けて大きく切られた2面の窓がイイ! 紅葉の時期は、さぞかし気持ちがいいだろうな~。 風呂からあがってテレビなど見ていると、夕食の6時。 おかみさんに呼ばれたら、食事用のお部屋に移ります。 さあさあ、すっぽんタイム!!! 2面が大きな窓になっている広間が食事部屋。各自の席には、塗りの黒盆。 お盆の上には、竹の紐で結ばれたおしぼり、竹の箸置きが置いてあります。 裏が竹林なので、おそらく手作りでしょうねー。ステキ。 ビールはサッポロ黒ラベル。 スードラじゃないところで、一気に信頼感UP。 そしてビール敷きの中には、瓶底くっつき防止の竹が…! なんて細かい心遣い! わくわくしながら待つと、まずやってきたのは美しい先付。 「名残節分をイメージして、遊んでみましたそうで」とおかみさん。 たしかに良くみると、豆、いわし、恵方巻き…。 節分にちなんだお料理が、ちょんちょんと盛り合わせてあります。かーわいー! うるめいわしに、ひいらぎの葉(葉には、霜のように飾り塩が…!)。 いわしは、「冷めると堅くなる」という常識を覆すやわらかさ。 恵方巻きに見立てた細巻き。芯は、なんとスッポンの肝! 甘辛く煮た肝はねっとりしていて脂もしっかり。 酢飯とぴったりだなあと思いつつ、もぐもぐ一口で。くーっ。 鶏のゆで卵の上にのっているのが、スッポンの卵です。うわお。 卵好きには、夢のような組み合わせですな…。うっとり。 スッポンの卵って初めて食べたけど、想像するより全然クセがないんですね。 一つずつ口に入れてプチュッとはじけさせると、まるでイクラのような食感。 生臭さは感じなくて、舌でじんわり味わっていると鶏卵のようにコクもあるの。ふしぎー。 干し柿の上には煎り大豆。 「お歳に足りるといいんですけど。笑」と、なごやかなおかみさん。 これまた、ちょうどいい塩梅の甘さとやわらかさの干し柿…。好み。 さあさあ、ではお酒~。 なんと竹をくりぬいた酒器で登場です! きゃー! おちょこ(?)も竹でできていて、酒器とともに冷蔵庫でしっとり冷やされている。 水面には、かわいらしいピンクの野の花。中身は八海山だそうで。 お造り。 なんと一人分ずつ、お重に入ってやってくる。 ふたをペロッと開けると、思わずみんなで「おおー」と声が出る豪華さ。これ1人分!? 美しく飾り霧が吹かれたフタの裏を見ると、「大徳寺」と焼き印が押してある。 聞くと「大徳寺さんから、いただいたんですよ」と、おかみさんがにっこり。へー。 お醤油は、柚子の皮が最初から入っていて、脇におろししょうが。 見るからに新鮮なタイラ貝は、シコシコとした歯ごたえ。 生でも十分おいしいけど、しょうゆつけて炙ったり、海苔巻いたりしても旨いよね…。 などと、好きな鮨屋のカウンターへ思わず意識が飛んでしまうくらいレベル高し。 奥は、これまた光り輝くひらめ。噛むと甘味がじんわりひろがります。うめえ。 トビウオのなめろう。もうこれ、絶対、絶対、大好き。 しっかり叩いた旨みの濃いトビウオに、薬味たっぷり、みそも叩きこむ。 酒!!! 酒をくれー!!! つぶ貝は、貝殻ごと盛られている。 コリコリシャキシャキの食感で、「いやあ、すごいね…」とつぶやいてしまいそう。 だって、ここは群馬の山の中ですよ!? びっくりさせすぎ!! 白子食いの私(どんなんや)も太鼓判の白子。 ふわっとしてトロッ…うっわー、酒ですなあ。ええ! お次は、スッポンとにんじんのしんじょ碗。 スッポンの身と、すりおろしたにんじんを団子状にして碗ダネにしてあり、 すばらしく美味しいダシ、「薄氷に見たてました」という聖護院大根がふんわりと。 その上には海老、ふきのとう、柚子、金箔…。 ふわふわのしんじょを口に入れると、 甘~いにんじんのやさしい口当たりに、プリッとしたスッポンの身。 かみかみしてすっぽんの旨みを楽しんだところに、柚子がふわっと香るダシをごくっと…。 そりゃもー、最高ですよ!! 次にやってきたのが、なにやら和紙がのった器。 濡らした和紙の間に植物が挟みこんであるんですね。ステキー! 冬で厚めの葉だから、椿の葉かしら…。 紙をはぐと、「きゃー!」と声も出るというものです。 あからさまに私の好きそうなものが並んでいる。 まずは、れんこんもち。 もっちもちの食感で、ちょっと土の香り。 ううーん、おいしい。どうやってつくるんですかコレ? 真ん中は、ぶるぶるのスッポンに、フレッシュなふきのとう、さらに濃厚ふきのとうみそ。 これらを一緒にして口に入れれば…! さーさー、酒(以下略)。 そして、真っ赤なフルーツトマトの上にのったウニ。絶妙な焼き目が美しい。 きっとコレって、糖度の高いフルーツトマトだから旨くいくんだろうなー。 酸味の強いトマトだと、ウニとはケンカしそうな気がする。はー、至福。 お次に来た素敵な骨董碗のフタを開けると、なんと真っ白。 クリームソースの下にスッポンの身が眠っており、 上にはキャベツやブロッコリー、ラディッシュ。 軽めのクリームにスッポンの旨みが溶け出しており、意外な組み合わせに衝撃。 そして、それぞれの野菜もやたらに旨いんですけど!! そして…いよいよ来ました。 じゃじゃーん。オープン!!! ドカーンと入ったスッポンちゃん。…逢いたかったよ!!! あとはもうひたすら、ぷるんぷるんのスッポンにむしゃぶりつくだけ。 「コラーゲンのモトだね」とか言う余裕がないくらい、うーまーい! これまでも何度かスッポンをいただいたことはありますが、 比べ物にならないくらい臭みがなくて上品。なのに、何なの?この濃さは! 薬味は柚子こしょう、唐辛子ペースト、塩。 スッポンはかなり量があるので、少しずつ足して食べるとよろし。 絶品スッポンダシに、柚子こしょうのパンチを少々きかせたものの美味しいこと!! そして、いよいよシメ。 待ってました、雑炊でーす。卵もふんわり、三つ葉もどっさり。 …っていうか、すごい量なんですけども。底までみっちりゴハンが!! でも、一口食べた瞬間に、「ほわーーーー」と全員がうっとり。 すごいねえ、スッポン。いい仕事するねえ。エラいねえ。 いきなり3歳くらい若返りそうな、あからさまな滋養たっぷり感。 そのエキスをたっぷり吸った米粒の、史上最強無敵なおいしさ! 雑炊番長の夫は、怖いくらいに眼の色が変わっている(イヤな予感…)。 自家製のお漬物も絶妙。 ポリポリ食べつつ雑炊をつつくこの幸せ…とはいえ、さすがにおなかいっぱいだわ! でもさー、残しても明日の朝、上手に出してくれるんだって。うふふ。 …と思っていたのに、なんと夫がまさかの山盛り3杯おかわり! えええーっ!? 「残れば明日、朝食にお出ししますから…。ん? あら、もうないですね。笑」と、 鍋を覗き、ちょっとびっくりしたようなおかみさん。 そうよねえ。普通、この状況で食べきる量じゃないですよね…。トホホ。涙 「信じられない!」と思いつつ、非常に満足そうな夫を責めるわけにいかず果物へ。 なんとスイカ。そして凍らせた(!)オレンジ。 うまーい。こんなに満腹でも、果物は入るんですのよ。 おかみさんがいらしたので、ずっと気になっていたことを聞いてみる。 「あのー。生き血は出ないんですか?」。 すると、「あら、召し上がりますか。最近、苦手な方も多くて…」だそうで。 もちろん召し上がります! 聞いてみて良かった! 生き血と一緒に胆汁も出てきた~。 赤いほうが、生き血をオレンジジュースとアルコールで割ってあるもの。 きれいな緑色は、胆汁そのものの色で、ガムシロと柚子入り。 うーん、どちらも飲みやすい。やはり、これを飲まないとスッポン食べた気がしない! お茶をいただいていると、ご主人が挨拶にやってきた。 そりゃもう、両親ともども絶賛の嵐ですよ。 普段おいしいものを食べつけていて、いろいろとうるさい両親なので(汗)、 気に入って喜んでくれて本当に良かった~。ホッ。 「1日1組」というスタイルで25年営業されているらしいのですが、 なぜかを聞くと「そりゃもう…まともな料理をひとりでつくろうと思ったら、 1組が精いっぱいなんですよ。笑」。なんと、調理場には家族も入れないんですって。 そして、演出の細やかさや器についてほめると、少し間をおいて嬉しそうに返事があった。 「こうしたら喜んでくれるかなあと思いながら、余計な飾り霧を器に吹いたりするわけです。 もちろん、そんなことを気にとめないお客様もいらっしゃるし、それは仕方がない。 ただ、それに気付いて喜んでくださるというのは、 私と食べる方の心が、一緒になっているということなんですよね」だそう。 ステキな器についての話で面白かったのが、 「私は一人だけで調理場に立って仕事をしています。 だから、料理を盛りながら、いつも心の中で器と会話しているんですよ。 時には『ごめんなあ。今日、盛る料理はお前に負けてるかもしれんな。 明日はもっといい食材を仕入れて、もっとおいしくなるようにがんばるからな』だったり、 逆に『どうだい、今日のは自信作だよ! よく映えてるね!』だとかね」…という話。 その後も話は尽きず、けっこうな時間おしゃべりしていたような。 母はものすごく気にいったみたいで(珍しい!)、 その場で1年先まで予約を数日入れまくっていた。お弟子さんたちと来るんだってー。 その後はポンポンのおなかをなだめるように、もう1回お風呂に入り、 ふっかふかのお布団で就寝。みんな、いい夢見られたかしらー。
by turehana
| 2010-02-27 22:11
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